BCPとは、業務継続計画を意味する「Business Continuity Plan」の略です。
介護業界においてBCPは、介護事業者によって策定されるべき事業計画で、介護施設や介護事業所における介護サービスを安定的かつ継続的に提供することを目的としたものです。
近年では、大規模地震や水害などの災害、コロナ禍、テロやウクライナ侵攻などの事件や事故といったことで、経営環境の変化や悪化といった事態が起こったとしても、深刻な事業の中断を起こさない、もしくは、事業中断したとしても可能な限り短時間で復旧するための方針や体制や手順などを示した計画が必要とされています。
特に介護施設や介護事業所のような中小企業の経営は脆弱で、緊急事態に対応できなければ、倒産や事業規模縮小といった事態に陥りかねませんので、中小企業庁によってBCPが推進されています。
BCPは防災計画に似てはいますが、防災計画は、不測の事態が原因で生じる被害を事前に可能な限り防ぎ、事業の復旧を目指すための計画で、BCPは、不測の事態で実際に被害が起きてから、事業活動の速やかな継続、早急な復旧を目的としています。
つまり、防災計画が不測の事態を未然に防ぐことを目的にしているのに対し、BCPはスムーズな不測の事態からの復旧を目指すといったように、目的に違いがあるのです。
どちらの視点も、企業によるリスク管理としては重要ですが、BCPを策定している企業は4割程度で、BCP策定中の企業を含めても6割強と、いまだにBCPの重要さを理解していない企業が多いのが現実です。
※この記事は、「【BCPとは?】介護における事業継続のポイント」を参考にしています。